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『子どもへのまなざし』 [本]

2008/7/1

 児童精神科医である佐々木正美さんが書かれた『子どもへのまなざし』は、母親学級で薦められた本でしたが、子育てのことだけでなく、現代社会に生きる人間の精神状態を考える上でも非常に興味深い本でした。

 こういった育児に関する本を読むのは初めてですが、こういった本から知識を得る前に、自分自身が育って来た経験の中で大事だと思っていたことは、
 ・子育て、教育とは「待つ」こと
 ・子どもは、自然と、親に認められ親を喜ばせる存在でありたい、向上したいという気持ちを持っているから、さらに過剰な期待をかけないこと
 の2点でしたが、それもこの本で触れられていました。

 「待つ」ことに関しては、私が小学校1年生から通っていたピアノの先生が、私が高学年にさしかかった頃から、大学院に進学して教育心理学を学ぶようになられて、子どもながら明らかに先生の態度が変わったと感じ、「大学院でお勉強して学んだことは何ですか?」と質問したところ、「教育とは、「待つ」ことなのよ。親や教師のペースでできないことを責めたりいらだったりするのではなく、あきらめずに教え続けながらも、子どもが自分で気がつくようになるまで、忍耐強く「待つ」ことなのよ。」という答えが返ってきたことが、いまだにずーっと印象に残っているのでした[ぴかぴか(新しい)]

                     DSC02263.JPG

 本のまとめではなく、私の心に響いた言葉ですが↓
 *夫が育児に協力的に手伝ってくれる場合に、お母さんは疲労を感じにくい、いらだちを感じにくい、同時に不安も小さいのです。

 *ありのままを承認されるということは、子どもにとっては、このままで私はいいのだという安心感、すなわち、自信になるのです。人生のできるだけ早い時期に、この安心感が与えられることが大事なのです。

 *子どもに対する過剰期待というのは、(略)子どもが感じている心理的意味は、拒否されていることなのです。なぜかというと、現状のあなたには満足していないんだということを、別の表現を使っていっているだけなのですから。

 *子どもが望んだことに、望んだとおりにこたえてあげるのは、生後一歳半くらいまでがいちばん重要だといわれますが、できれば二歳くらいまで、そういう気持ちで育児をするのがたいせつだと思います。

 *子どもは本能的に、りっぱなことをして、親やみんなから受け入れられたい、ほめられたいという気持ちを十分もっているのです。ですから、よほどのことがないかぎり、ありのままの子どもでいいのだという態度で見守っていてあげれば、それでいいのだと思います。

 *育児に失敗があるとしたら、その多くはいそぎすぎによるものだと思います。

 *自分が幸せな人ほど、相手を思いやることができる(思いやりのある子に育てたいという親が多いが、思いやりのある子に育てるには、まず親がそういう親であること。子どもは教えられるのでなく、親の真似をして育つから)。
 それでは、幸せというのはどういうことなのか、おなじ条件、おなじ状況であっても、幸せに思える人と思えない人がいます。あるいは、おなじことにたいして、感謝のできる人とできない人がいるわけで、これが幸せだということはないのです。(略)私たちはなにを幸福に感じ、なにを不満で不幸に感じるかというのは、なかなか難しいことでして、これは気持ちのもち方の問題です。(略)「幸せというのは感謝ができること」であろうと思います。

 *現代人は喜びと悲しみの感情を、どんどん失いつつあるようなのです。そうすると、人間というのは、あらゆる感情を失うかというと、まったくそうではなくて、怒りの感情をとても強くしていくのですね。ですから、喜びと悲しみを感じにくくなると、どうも人間というのは自然と怒りっぽくなる、これは確かなことのように思うのです。

 仕事をしていても、子育てをしていても、結局は親が自分自身と向き合う作業の連続なんですよね。
 “何歳くらいで喋られるようになる、歩くようになる、トイレが自分できるようになる”・・・といった事は、個々人の差があって比べるべきものではないと考えているので、そういった育児書には興味がありませんが、この本は、親自身の精神状態を見つめなおさせてくれるし、大人になって忘れてしまっている子どもの気持ちを気付かせてくれるものなので、時折開いてみたいなぁと思いました[本]
 


 

 


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コメント 4

よーよ

私もこの本持ってるよ~~
童話館という宅配本システムで、親のための本として
送られてきました。
欧米風に、
「子供も自立させるために添い寝はNG」とか
「抱き癖がつく」とか「授乳は1歳まで」とか
さまざまな神話を信じて育てられた私達世代
(つまり親が信じてたってことね。sunjaちゃんの家は違うかな?)
にとっては、ホントに助けられる本だな~と思いました。

私は「とにかく他人と関わって育てなさい」っていうのが
とっても印象的でした。

出産前に読んでるというのはうらやましいわ~~!!
by よーよ (2008-07-01 16:59) 

sunja

やっぱり親の世代は「早く断乳して離乳食へ」、「早くオムツを取って」、「抱き癖はつけない」等という考え方ですよね~。歩き始める事や、お喋りが遅いことでも心配したり。。。そうじゃないよな~と思っていた私としても、ありがたい本でした☆
 そうそう、子ども同士や、他人の中で育てられるんですよね^^
よーよさんも読んでらして、嬉しいわ♪

by sunja (2008-07-01 19:42) 

3人のママ

私も持ってるよ~♪
結構周囲のママ友も持っていましたよ。

私も上の子が幼稚園時代に読みました。
「待つ」って実際には難しくて、頭では分かっていても、、、、ということが多々ありました!
”親”という字が表すように、木の側で立って見るということ、つまり手出し口出しではなく、見守る姿勢が求められるのよね。子育て中は永遠に続く課題のような気がします。幼稚園の父母会でもよくその話がでました。。。

私ももう一度読み直してみま~す!

by 3人のママ (2008-07-03 19:52) 

sunja

3人のママさん♪
結構読まれているのね?!
確かに、頭でわかっているのと、実際子どもと接して実践できるのとは別問題よね。。。
でも頭のどこかに意識があるだけでも違うんだろうね☆
by sunja (2008-07-03 21:50) 

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